滞在が5年を超えるとこのベラウゲームに外国籍でも参加することができる仕組みになっている。州政府対抗となっているが、在勤・在住を条件としないため、みんな割と好きなとこに登録、州政府ごとに色違いのTシャツきて競い合う、大運動会。州政府間で引き抜きとかが起こるので2回連続で同じ州から出なければならないルールになっている。

16州政府対抗になってるところがミソ。手がかかりすぎるw 人口2万人しかいないのに選手だけで1600人、スタッフ入れたら2000人くらいが関与する。この一週間、オフィスは閑散、みんな大忙し。州政府ごとに本部をコロール市内に開設して参加者向けに3食用意するので炊き出し係もある。超ローカルの村をあげてのお祭り、スポーツの祭典。

ODA関係者で今週渡航してきた人たちは州政府および各省スポーツ関係者の動きの悪さに驚いたことでしょう。ベラウ・ゲームの週は外した方がいいという情報は共有しておいてほしいw

  • 運動能力の高い職員は連日試合です。
  • 仕事できるやつは運動できなくてもスタッフで駆り出されます。
  • 仕事できないやつは運動できなくてもなんとか州政府に所属しレターを手に入れて公休を堂々と申請します。

つまり、中途半端に仕事している職員と外国人しかオフィスにいません。

マイクロゲームというミクロネシア地域で行われる地区国際大会の選考会を兼ねる年もあるので、ちゃんと国体は国体。(本当は今年8月にマジュロで開催予定だったマイクロゲーム、マジュロが突然「ちょっと締め切り間に合わんわ、延期してちょ」って言い出し、来年になったので、この後選考どうするかはまだわからない。11月にはソロモンでパシフィックゲームがありその地区選考がマジュロだったんだけど行われないから、ミクロネシア地域からどうやって代表選考するかは謎。)

私は今回初めて滞在5年を超えたのでペリリュー州から参加登録。「長距離なら誰もやりたくないし、登録ほとんど子供で800m以上走れないから」みたいな感じでサクッと空きのある種目にハマった。パラオ人は投擲が得意(見るからに)、短距離走はそこそこ子供の選手が多い、長距離は参加者が少ない、もしくはいない。とりあえず800mは中距離なのに長距離って呼ぶのやめろ。「場合によっては400m長距離なんだよね」・・・おいw

普段はなかなかできないトラック競技やりたくて1500m。高校での専門種目は3000mという日本の女子にしかない種目だったので(いい加減5000mでやりゃーいいのに、20年以上経ってもいまだにこれなのは流石日本)年一度行われる競技会で16歳の時に走ったのが最後。5Kロードも登録、こちらはたまにパラオで走ってたけどあんまり正確にとってないファンランで、正規大会で記録取るのはこちらも17歳のとき以来。

ベラウゲームの陸上競技は早朝と夕方に行われる。(日中は別の競技に参加している子供も多く怪我などでの棄権も結構出るそうだ。)5Kのスタートが朝5時半、コール集合は4時半。つらみ。

直前に20歳以上と19歳以下部門に分けるという新ルールが発表される。なんでかなと思ったら、どうやらキッズの登録が少なかったのは後で理解できた。水泳とかは年齢別作ってるんだから確かにこの対策はありだよな。

1500m予選はスタートが朝6:45、コールが40分前ルールなのでそれまでに本部に行かなければならないのと、いずれにせよ、アップ考えたら5:30競技場に行かねばならぬ。5時起き・・・つらぴょん。とか渋々起きてウォームアップして朝から超万全の準備してファイナルコールに集合したら

陸連ボス「参加人数が20歳以上2名、19歳以下2名、予選通過です。決勝は午後、ファーストコールの集合は午後5時までにここに戻ってきてください。」

えっ 予選なくなったw Σ(゚ω゚ノ)ノ

予選が決勝進出人数に満たないとこういう対応になるのか、走らずに決勝のスケジュールは変えないんだ、知らなかった!! 日本の競技会でこんな事態は起こりえない!! 目から鱗!

さらに

ペリリュー陸上部コーチ「ちょっと帰るの待って。マイルリレー の選手(キッズ)が4人揃ってなくて・・・もし後1名来なかったら入ってほしい。3チームしかいないからゴールさえ超えればメダル確定なんだ。」

Σ(゚ω゚ノ)ノ えええええ

人生で初のリレーアサインwwww 短距離遅いから生まれてこのかた、小学校の運動会レベルでもリレーに登録されたことなんかない。つかマイルリレーは練習すらしたことない、レーン規制とバトンの受け渡しが100mx4と違うのくらいは知っているが・・・つまりルールがわからないレベル。

こちらもやはり予選が朝の部でできず、登録だけ。

コーチ「よっし。メダル確定」

ちなみにこの後、会場に朝こなかった選手1名の言い訳が「行こうと思って車乗ったんだけどそのまま寝ちゃった!」っていう言い訳で笑った。とはいえ実際、1週間に色々な競技のスケジュールが入っているため、体調を崩したりケガで動けなくなる子供は例年でるそうだ。なかなかハードな1週間である。

パラワンキッズの100mを見る限り、400mはそんなに難しい種目ではないと思うが、それ用のトレーニングをしていないせいか、ハードルの高い競技になってしまっている。みんな100ばっかりやりたがるんよなー。日本の学校でも100に登録する人数が多いけれど、ちゃんとやってる学校になると選手の見極めが上手というか、100が速いこの中から適性を見て400や800に転向させたりしていて、高校の競技は大体そんなの。

なのでマイルリレー 要員を集めるのは大変なのである。特に女子。パラオはスポーツにおいての男女格差はひどいことになっている。文化的に女性の社会的責任と役割が多すぎてスポーツ続けるゆとりがない説もあるが高校体育が男女混合だったりして、女子の中堅どころが潰されてしまっているのではないかと思う。だから男子に混ざってもパフォーマンスが発揮できるトップレベルだけやたらすごいのが出てくる。

というわけだったが、午後の1500m決勝の後コーチに聞いたら、野球チームの女子が試合終わって間に合ったので400mは揃ったそうで 笑

結局、4人集められたのはコロール、ペリリュー、ガラルドの3州のみ。

最終日は私は5K。終わった瞬間にコーチが「大丈夫か?」って聞いてくるからそんなにやばい顔色してんのかなと思ってたら

コーチ「200mの大人の部が登録1名しかいなくて、入ってくんない? ゴール超えるだけでペリリューに1つメダル増えるんだよ!」

私「おおお、おけ!子供の時から最長距離にしか登録されなかったから、ちょっと感動だよ」w

で、結局、200mには水泳チームが競技終了してたから2名が助っ人できてくれたんだけど、コーチが走らせてくれた。

ペリリューは陸上部に年齢上めの人が少ない。水泳チームの女子は20歳以上が結構いる。そして200mの19歳以下はガチ勝負してるのに20歳以上はエキシビジョンランみたいになってしまってるのである。確かに、20歳以上の大人、もうちょっとこの種目にチャレンジしてみて良いと思う。年齢別にするのはそういう意味でもあり。

人生で初めて公式戦でクラウチングスタートした。

私のこと知ってる人はビックリだろう。

というわけで全然人がいない大会、1500mは2人中2位、5Kは4人中3位でペリリューにメダル献上。タイムは23年前からそれぞれ1分&5分落ち(上がったのは体重だけw)という感じですね・・・つらぴょん。いや、体重の割にはマシか?

以下、ペリリューチームの表彰式写真集。優勝してないのに全員州旗を掲げてヒラヒラ、やたら主張が強くて草。