最近このブログがスポーツイベントで埋め尽くされていて危機を感じているw いや、ちゃんと仕事は仕事でやってるよ。最近はポートフォリオは別のサイトにしたので、あまりここで話さないだけで。スポーツイベントが多いのはぜんぶパラオのせい。

パラオ水族館の展示を大幅に変える計画をし出してからはや2年、やっと大枠の建築構造いじるところは終わった。

お土産やの場所を水族館出口に移動、これによって売り上げアップだ!と、どこまでこの閑散とした水族館に変化が出るかと思ったんだが、上がったことのない売り上げがいきなり上がったそうな。

そしてもう一つの大きな改変は深海展示室のオープン。今までは4つの小さな水槽のバックヤードとして使っていた部屋と水槽を取っ払って壁にして深海生物の展示室を作った。パラオ水族館はパラオオウムガイの展示はコンスタントにできていたけれど、ほか3水槽は迷走していた。JICAが23年前に製作したパネルを見る限り、「深海」をメインに展示する意図があったが、捕獲と飼育が安定したのが結局、オウムガイだけだった。他は結局、チンアナゴやカサゴ、サンゴにブラックライトを当てて発光させてみるなどの展示が試みられていたが、結局、2021年に水族館運営のコスト見直しをし、展示室の小型水槽は一旦全てクローズするに至った。

コロナコロナって言われてますが、代表曰く、「コロナ関係なしに今まで一度も黒字だったことなんかない」そうで、常に運営の足を引っ張っていた水族館の人件費と電気水道代だったりするんだな。JICAの建設当時のプロジェクトプロポーザルには「水族館を運営し入館料で研究費を賄う」なんていう見通しが書かれているが、現実は逆になってしまった。(この見通しについては日本側が水族館を作るありきで意図的に書いた感がそもそもある。)

そのあと、展示計画を見直しつつアウア・オーシャンの会場として急遽、別の展示を設置しつつ、建築構造物の変更も進めた。

最近はパラオの深海調査に興味をもつ外部団体も増え、実際にナショナルジオグラフィックとの共同プロジェクトでドロップカメラで深海の撮影に成功。北太平洋に生息するというオンデンザメが赤道界隈で初観測されたので、これも展示に使えるな!と。

そして、昨年は探検家ベスコーボがパラオ元大統領を連れてパラオ海溝探索に挑戦し、同時に調査が行われ、海溝にいる生物がビデオに記録された。このビデオもパラオ水族館で展示できるように交渉がなされていた。

これまで以上にちゃんと「深海」について説明するパネルを展示したくて制作。幸いなことに、ベスコーボの深海調査チームの研究者がとても協力的で、最終的にはナショナルジオグラフィックのプロジェクトパネル以外は全てチェックを入れてくれた。(ナショジオのはナショジオが監修。)

深海といえば!やはり「月面より謎」みたいな言い回しがしたくなるじゃないですか。したら、そっこうで赤字入りましてw

「この10年くらいで大体スキャンしたから、月面よりはわかってる」と言えるらしい。とはいえ月面はこっちからすら見えるけど深海は何がいるかは見れないからやっぱり月面ほどはわかってないのと、先日のタイタン事件でも話題になったと思いますが、宇宙船作るより深海探索船作る方が大変なんだよな・・・

言い回しの問題ではあるものの、最新技術で海底のスキャンが思ったより進んでいるのね。

ナショジオの方のカメラは高額な代物だけど、それでも、今までのやり方に比べたら劇的に安価な探索方法だと思われる。単純に4Kカメラをハウジングごとドロップ、ケーブル無しで時間が来ると砂の重しが切断され勝手に水面に上がってきたところをGPS発信機使って見つけて回収する。(何かに引っかかって回収不可能になる程度のことはあるだろうけどね)

てな感じですので、とりあえず、深海展示室見にきてね。オウムガイも展示復活しています。