パラオなど島国はインターネットに海底ケーブルを使用しています。パラオは2017年12月にこれが開通したのですが、それまでは衛星回線を使用しており、ものすごく遅く、youtubeは見れないし、Gメールの受信にhtml版でも3分くらいかかっていました。このブログ書き出した頃はワードプレスの入力画面読み込みが本当に遅くて、メモ帳で原稿作ってからコピペするなどしていました。

2017年の開通後は劇的に生活が変わりました。子供達はユーチューブかネットフリックス漬け、連絡は全部メッセンジャー、仕事はGメールとGアカウント多用、携帯電話に電話番号なんて入れていません。

先週、「海底ケーブルの修理するから火曜日から土曜日までネット使えないよ」という告知が出される。病院、政府機関など、ライフラインに関わる部署では衛星回線を使えるようにすることが発表されました。

パラオ久々のオフライン! ズームミーティングはキャンセル。オフラインでも私はやる作業があるので別にいいっちゃいんだけど、ネットで確認したいことがその都度、結構あるんだな・・・

月曜日

みんな頑張ってネットフリックスをダウンロードしまくるw たった5日間なのに、そんなにいらんだろって思ったけど。”銀行キャッシュカード、デビット&クレジットカードが使えなくなるから現金持っておくべし”という噂が流れてくる。みんな現金下ろしに行ったせいで銀行がめっちゃ混んでたそうな。

PICRCではメールに自動返信設定するようにスタッフに連絡が行く。海外の研究者・コーディネーターなどからの連絡が多いのでうちはこの対応しないと死活問題だったりする。

火曜日

朝からネット断絶、デジタルデトックス開始。

私「今週はみんなお金下ろせないからバデックとか逃れられるんじゃないの? 良い理由できたやん」
パラワン「もうみんなお金下ろしてだしたわよ」
私「まじか!」

そこだけは勤勉で草。

スランゲル に行ったらやはり支払いは現金のみだった。

水曜日

アドビフォントが切れてしまい、一部のファイル開けても最終データが作れないことが発覚。まあ、ネット動いてないから、入稿がどうせできないんだけども、細かい案件が出てたら困るわ これ。今回はたまたま大きな締め切りなかったけど。なんとかしてくれ、アドビ。

WCTCデビット使えてるやん! おそらくグアム銀行のATMも使えるということで試してみたら使えた。

木曜日

スタッフがやること無くなってオフィスの掃除を始める。

スランゲル もデビット使えるようになる。どうやら、最新機を導入しているお店はクレジットが使えていたようです。アイライの新スランゲル は最初っから使えてたみたいです。

FBがないとどこで何ができるかの情報共有が遅れるなー。サマーハウスとかランチスポットに言ってパラオ人と雑談すると引き出せるけど。これがココナッツワイヤレス(ハワイで言われるネットより早い現地人間の噂)というやつか。実はいつのまにかネット戻ってて、噂で知るとか、この国普通にありそうなんだよw

携帯にメッセでPNCCから「予定通り土曜日の5時に復帰するよ!」という知らせが入る・・・早まらないかなと期待したがダメか。

金曜日

オフィスがきれいになる。

アンコー「パラオはたまにオフラインにした方がいいと思う。みんなタロイモ畑の世話とかするし」

タロイモ畑の競合はネットかよw  確かに完全に毒されたよな、この5年で。とはいえ、うちのスタッフでも現役狩猟民みたいなアンコーたちは相変わらずオフラインで、特にこの数日の影響を受けることはなかった。

夕方に「ネット普及したよ、まだテストだから遅いけど」というメッセがPNCCから一斉送信される。早まった!!やはり米領グアム、土曜日に働きたくないから金曜日に終わる予定で、土曜日はバッファだったか。

久々にメール受信してやることがそこそこ多くなる、山から降りてきたみたいだねって思ったけど、今日日の山は4Gが入るので山以上の島。


感想:

デジタルデトックスいいけど、ミーティングの時間設定とか急ぎの連絡とかできなくて面倒。英語原稿書く時はGoogle先生のスペル&文法チェック利用してたから、これが利用できないとチェックにいちいち時間がかかる。書類も今は多くをGoogleドライブ使って共有してるからそれもないし。カレンダーがオンラインだったから、オフラインでメールもカレンダーも見れなくなり、うおってなった。昔はメーラーソフト使ってPCにメール落としてたからオフラインでも受信できなくてもメールは観れたけど今やそれもできない。アドビフォント使えないのも痛い。

この程度のオフラインは非常時以外で経験しておけたのは良かったなと思う。以前はトンガが海底ケーブル破損で突然ネット不通になって大変そうだった。大洋州の島国は海底ケーブル頼みだから、こういう事態は想定しておくべきですね。ナウルみたいに国が破産して電力落ちて連絡取れなくなった国もあったな。

水族館に来る観光客の皆さんが、いろんなお店などでクレジット使えなくて途方にくれていたそうな。かわいそうに。

現地在住者や協力隊が日本にいる家族の緊急連絡について心配していた人もいたようですが、協力隊のご家族は家族に危篤・死亡など非常事態があった時は日本のJICAに連絡、それ以外の日本人は外務省に連絡すれば現地JICAや大使館が繋げるはずなので家族には教えておいた方がいいかもですね。本当の緊急時だけですけどね。今回は電話回線は生きてたから、自力で連絡できなくもなかったけれど、電話回線すらなくても衛星回線などで災害時も対応できるようにしているのが普通です。