最近日本の土踏んでないから見れるのがツイッターとニュースとfbくらいなんだけども、相変わらず日本の3月8日は炎上デーだなと思う。パラオ界隈の団体や企業は女性ワーカーの写真をコラージュで掲載するのがだいたいこの日の祝い方。(パラオの広告媒体は主にSNS。)他の国連機関や日本でもJICAなどは女性を対象とした支援先や女性ワーカーの写真が目立つ。

国連が決めた日なので国連に関連する機関、国連系の支援が入るパラオのような国では日本に比べて、そもそもとても身近でどんな日なのかという理解度が高い点もおそらく関連している。

今年のパラオの一押しはパラオ政府観光局の投稿はこちら。

全訳:

ハッピー国際女性デー! パラオ社会では女性はたくさんの責任を負っています。その一つが私たちの文化の大きな要素になっているタロ芋の栽培です。ここにメセイ(タロ畑)にいるまたはタロ畑を耕す女性二人をここでは追いました。

タロ畑を耕すには水路の管理をしなければなりません。このため、パラオの女性は灌漑のエンジニアと呼ばれてきました。タロ畑の状況を見て、定期的に水路を掘って水の流れる量を増やしたり、いろいろな植物や木など有機物(木の根や枝など)を植えて水の流れを遅くしたりします。(引用:2019年 マドレサル・ニライガスによるジャクソン野生生物映画祭でのプレゼンテーションより)

この投稿を働くすべての懸命に働く女性、私たちの文化と伝統を守る母に捧げます。


一方でこちらが日本のやっちまった企業広告。日本すべてが真逆すぎて笑っちゃいました。

パラオが年配のよくいる元気な働く女性を写した写真を掲載したのに対して日本はスタジオで芸能人をスタイリストもメイクも入れて撮影、レタッチがっつりなモデル写真

パラオが女性の責任と業績と技能を讃えてるのに対して、自分が変われるとか、世界が変われるとか、強いとか。

肌露出した若い女性タレントに商品持たせればアイキャッチになる!という広告の悪い癖を前面に押し出してるのもまあ、びっくり。今日が何の日か知ってるか?と言いたくなる。

でも、例年、よく考えると日本の女性デー広告は30歳前後の女性タレントないしはモデルなどプロを起用し、ポートレートを使ってるものが多い。私も日本にいたらこういうのの制作側にいたかもしれない。「国際女性デーは女性が主導するデモをきっかけにできた日だから、女性に頑張って社会覆そうって絵にすればいい!キーカラーはミモザのイエロー!」っていう安直な考えで制作していただろうね。

ちなみに、イエロー使ってますが、とうの国連は紫をキーカラーに採用しているようです。

https://www.internationalwomensday.com/IWD2022

purple stands for dignity and justice (尊厳と正義)だそうで。

写真使うと特定の民族や特定の年齢はばになってしまうのでイラストレーションを使っている。これは私も頭を悩ませた時の解決法でパラオの現場でよく使ってるので実感している。肌の色は数種類を必ず提示。最近はシャッターストック などで販売されるロイヤリティフリーのこの手の社会正義を訴えるイラストは肌の色や服装、体型など大幅にデフォルメした上で、バラエティに富んだイラストになっている。イラストの需要が多いのは写真だと民族が特定されてしまうから。

日本でも文字だけの企画になってる広告が見受けられるのはここに配慮するとこれが答えになるから。文字だけの広告にしてる企業は、よくわかっている。

そして、日本では、老女でカンプ出しても会議通らない。

企業が投稿する社員の画像も若い社員の多いこと。実際50歳すぎて働いてる女性があまりにもいないんだろうけど、それでも、少ないとはいえ、いないわけじゃねえだろ?って感じ。多分、広報が単純に選んでない。「女性デーに興味があるのは若い世代なので同世代起用しましょう!」みたいな話になってるんだろう。そして古い男性に至っては女は40超えたら女じゃないとか言い出すからね。なにせ女性は子供を産む機械なんで。産めない女は女じゃない。

日本の投稿見てるとそういうバックグラウンドが垣間見えて、もうなんか、この広告自体が問題の本質そのものなんだよなあ。。。と思ってしまう。

スーパーにいるおばちゃんや農村にいるおばちゃん、家で専業主婦をしている母親や自分の妻の写真の横に国際女性デーに寄せる広告コピーを試しにみんな書いてみたらいい。どうでもいいと思ってる存在なんだろうけど、その人の業績と価値を認識できる文章になったら、それが国際女性デーのキーメッセージになると思う。写真はもちろん、その人の生活圏でね。スタジオや過度のレタッチはなしでね!