先週は気候変動関連の大洋州地域の会議がパラオであって各島からコーディネーター的な役職の人たちがパラオに来ていた。( https://gccasupa.org/ )その中のクック諸島の人がサンゴ礁センターを訪問したいという事でご案内。何かと思ったら、写真で新設した展示の什器を見て、「絶対パラオ行くなら見ないと」と思ったそうな。なんでもビジターセンターか何かをクックでも作る計画があるらしい。

これな。

「これどうやってんの?! 材料は全部国内?」というのを聞きたかったらしい。よくぞ聞いてくれた。というかどこの島も同じところでつまづくのな。

クックの人「印刷は?国内? だってすぐ色褪せちゃうよね?」

資材は基本、すべて国内で標準的に販売されているものを使っている。当初からそれがうちのボスの希望だったしね。自分たちでメンテナンスがしやすい設計にして欲しいって言われていた。22年前のオープン時はJICAの支援がカッツリですべて日本から輸入したものだった。だから、私が着任した5年前まで展示パネルは17年間ほぼ自分たちで手を入れる事ができない状態でいた。そこから資材問題を業者共々考えて5年。イマココ的な。

私「本来は別の用途のものを使っているよ。こっちのテーブルは家具の感覚で作れるからね。この支柱は水道管用のプラスチックパイプを加工して使ってるー、こっちはただのPVCバナー印刷ねー」

クックの人「全部シンプルよね」

私「シンプルな事以外はできないよ。あとここは太陽光と雨に加えて風も強いから、そこもチャレンジだったね。建築業者と対話して形状も材料も途中で変えるしな。こっちのはすでに壊れちゃったので、再考してるとこですね。」

あるものでなんとかするのを前提にあとはトライ&エラーの繰り返しなんだよな 

o(`・ω´・+o) ドヤア

日本みたいに発注すれば、大概のことは業者が考えてやってくれるような感じではない上に資材の少なさ。印刷機も島内では限定されている。

この六角形のテーブルとか分度器とか使われたら正六角形じゃないのバレるけどな。まあ、こんな細いこと気にして作るの日本くらいだから、先進国でも米国行ったら気にしないだろし・・・

とにかく、細かいことは置いといて、この資材ないけど、ここでは誰も作ったことない展示台を作るという無理ゲーをしています。デザインがソリューションなら、資材がないところにこそ必要性が問われるということです。日本のあの、金持ちをもっと金持ちにするみたいな仕事より、本質に迫れると思う。

調子に乗ってくると結構楽しい無理ゲーです。